2017年5月20日土曜日

破断

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2017年5月20日(土)

 「破断」嫌な言葉です。

実は、先週の日曜日にユニバーサルジョイントの高速試走を行なってみました。制限速度++αでも気持ちよく走れることを確認して問題なさそうなので満足して下道へ。我が家からは15km程度のところです。

信号で止まったところ急にエンスト。ん?キャブが追いついてないのかな?なんて思い再始動。問題なくエンジン始動します。そのまま走ってるとクシュってくしゃみ現象頻発。あれ?何か変。キャブ周辺を見てみると左バンク側のキャブが妙にブラブラしてるような気がします。V11の「雨の片肺事件」のようにラバースリーブが抜けかけてるのか?こいつもかよ。。と思いつつ路肩に止めて確認です。

あれれ!ラバースリーブが破断しとるがな。これで二次エアー吸って左側の燃焼がおかしくなってクシャミが出てるようです。マジか。凹むわ。。

またレッカー呼ぶことも考えたのですが残り15kmで、幸い左側なので手で押さえつつ、回転を最低2000rpm程度にアクセルコントロールしながら走ります。気をぬいて回転を下げるとエンストするんです。クシュって言うたびにガソリン臭いし大丈夫かぁ。ああ憂鬱。

なんとか家までたどり着きました。

ラバースリーブの予備なんてありません。早速、緊急手配。30φのキャブなので多分これだろうなってパーツを手配です。

パーツが来るまでに破断したスリーブをチェックしてみました。ゴム自体はまだ柔らかく硬化もしてません。カスタム時に新品が使われてる証拠です。そのゴムの半周くらい完全に割れた状態です。厚さ6mmもある分厚いゴムが割れるかねぇと思いつつ観察していると、まだ繋がっている部分にも亀裂があるように見えます。切開してみましょう。割れた部分と繋がってる部分を二つに切断してみました。おお、繋がってる部分にも全周に渡って亀裂が入っており有効な厚さは半分の3mm程度でしょうか。
右バンク側も外してみたところ全周に渡って同じ場所に亀裂が入ってました。これは仕様なのか?んな訳ないだろー。

原因の可能性は二つ。

・インマニ側だけで固定され、キャブとフィルター側がフリーのためエンジンの振動が伝わって振動疲労を起こして亀裂が入った。ただ、内側だけに亀裂が入るってあり得るのか疑問です。

・製造不良。このラバースリーブの製造が一体成形品なら可能性は低いと思いますが金型を分けてゴムを流し込み繋いでいるようだと熱の入りが甘くラバーが完全に溶けていない状態で出荷された。同じロットだとすると同じ場所に同じような亀裂が入った状態で出荷された。チェックしづらい場所です。

と想像してます。海外で作られているパーツなので何とも不明ではありますが。

何れにしても、パーツが届いたので交換して、今度はラバーやキャブの振動状態を確認するため試走で下道と高速走行してきました。ちなみに新しいパーツはしっかり繋がってて亀裂のないことは確認済みです。

明らかに調子が良いぞ。笑

アイドリングも凄く安定してるし、クシャミ現象も一度も出ず嫌な感じが綺麗に消えました。

時々クシャミが出てたのは亀裂から二次空気を吸ってたのかも。横浜のショップで「低速時に違和感があるのでちょっと様子見てます」もこれだったのかもって思えてきました。

ただ、亀裂が入った原因ははっきりしないのでしばらく様子見とします。亀裂はあるけどまだ使える右バンク側のラバースリーブは緊急時用としてサイドケースに忍ばせておくこととします。

もう1点気になってた40〜60km辺りで出るカチャカチャ音。メーター辺りから聞こえて来るのでメーターケーブルに注油したりライトケースの中を探したりしても音が消えず、もしかしてフロントサスのスプリング異常とかタイミングチェーンの緩みなの?ってバラす事を考えると凹んでたのですがやっと見つけました。灯台下暗しです。
場所は目の前。燃料キャップのカバーに遊びが多くて振動で金属同士が触れてカチャカチャ鳴ってたようです。クッションは付けてあったのですがヘタってきてたようです。何かいいものないかと机周りを物色すると地震対策用ゲルクッションが目に止まり、これいいかもと思い取り付け。クッション性が高いのでいい感じにホールドされる感じになり、音もスッキリ消えました。

気になってた音も消え何となく、グッと調子が良くなってきた予感がします。色々ご主人様を試してくれますよ。この子は。


そうそう、この高速試走中にSAでルマンII乗りの方と偶然遭遇しました。松山の方でした。ほぼフルノーマルのルマンII。トラブル時には部品を外してリパさんとこに送って修理してもらってるそうです。

病気自慢ならぬトラブル自慢話しに花が咲きました。GUZZIによくある光景です。

田舎のGUZZISTAは何かと大変ですよね。と笑いながら元気に本戦へ合流されて行きました。いつまでもお元気で乗ってくださいね。どこかでまたお会いしましょう。


左バンク側がこの通り破断してます。

パックリ行ってますね。

切開してみました。

繋がってる部分のヒビです。

広げてみると綺麗な断面ですね。製造不良なのか???

左も右も交換です。バンドも12mmサイズへ太くしました。

ここがカチャカチャ音の原因でした。ジェルクッションを取り付け。色々錆びてる。笑

ここのポッチにクッションが密着します。

ルマンⅡですよーー

ほぼフルノーマル。色々トラブルも経験されてるようです。笑

SAのとり天ぶっかけ。SAの割に想像以上に美味いですよ。

やっと正常になってきた予感がします。





2017年5月14日日曜日

テンプレート

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2017年5月14日(日)

 今日はルマン会議の日。
天候にも恵まれ楽しいお祭りになったのではと思います。いつの日か参加できたらいいなぁ。(GW開けってのが仕事の関係で難しい気もするけど)

さて、私は地味な作業を。ガスケットのテンプレート作り。
ガスケットなんて安いものなのですが、たまたま国内にストックがなかったりで海外まで手配となると送料だけでも高くなるので自作できるようにテンプレートを作成。
ガスケットシートを買ってテンプレートで切り抜けばいくらでも作り出せます。
ガスケットシートは厚み、耐温度、燃料やオイル向けなどを基準にモノタロウなどで探せば色々出てきます。

地味だけど、イザって時に助かる作業なのでした。



2017年5月5日金曜日

試走

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2017年5月4日(木)

 絶好の試走日和。
よく利用する香川から徳島に抜ける亥ノ鼻峠を試走します。
時々、リア周りをチェック。問題なさそうです。変な異音や摺動してるような感じもありません。とりあえずは合格!

車が多くペースも上がらないので香川県内のお気に入り周回ルートへ戻りました。気持ちよく流せてたのですが突然の大渋滞。場所は綾川町。ここには山越うどんがあります。警備員さん曰く、お店から1.5kmは離れてるここから「山越うどん渋滞です」って。恐ろしや。。

迂回ルートを通り帰ってる途中で。パンクらしきオートバイが止まってます。高知からうどんを食べに来ましたとのことでCB1300で190サイズの太いリアタイヤに平板の金属片が刺さってリーマで穴を拡大中。パンクキットは持たれてましたけど作業した経験がないとのことで手伝うことにしました。
V11に寸切りボルトが刺さった経験が生きましたよ。850-Tのサイドボックスには一通りの工具類とパンク修理キットと空気入れ、ゲージを入れてます。パンク修理キットはチューブレス用なので850-Tのチューブタイヤでは使えませんがマスツーの時やこのような場合に役に立つことがあるのです。穴傷ではなく横に広い穴なのでセメントを塗ったゴムを3本挿入して漏れを塞ぎます。空気入れで1.5Mpaまで入れて後はガソリンスタンドが少し走ればあるのでそこで入れることに。標準が2.9MPaだそうです。高いねー。
何度もお礼を言われましたけど、そんな気を使わなくても。困ってる時はお互い様ですから。

そういえば自分のチューブタイヤがパンクしたら処置のしようがないです。チューブの予備を買っとかないと。予備があっても路上で交換できないので自宅へレッカーになりますけど。スポークのチューブレス化考えようかなと思った次第です。



















2017年5月3日水曜日

復活作業その2

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2017年5月3日(水)

 続きです。
スイングアームまで復旧したので、ファイナルミッションを取り付け、アクスルシャフトを仮付けしてスムーズに回ることを確認します。リアサスペンションとタイヤとドラムブレーキを取り付けてリアホイールのセンター出しをします。この辺りもリパさんのメンテナンスブックに詳しく説明されていて、なるほどねーという感じです。この本、メンテするには必須です。モリブデングリスは各摺動部へこれでもか〜ってくらい使うので写真は撮りづらいです。
サイドバックのキャリアも取り付けてリア周りはほぼ完成。塗装の剥げてるところはタッチペンで修復です。
マフラーを取り付けて完成です。

ついでに吸気部のステンレスフィルターの掃除。中性洗剤を着けて靴洗い用のブラシでゴシゴシ洗います。本当ならK&Nとかのコットン材のフィルタの方が捕取効率も高くてエンジンに優しいのでいずれ交換したいと思います。

プチカスタムとしてGUZZIガードを黒からクロムメッキに変更。

そうそう、完成後、跨ってケツ圧をかけてリアサスとかの動き具合をチェックするとキコキコと金属の触れ合う嫌な音がします。あれ、どこか接触してるのかもとあちこち調べても接触してるような場所はないけど。跨りながら耳を澄ませて確認すると、どうもシート辺り。ありました。シートの開閉ロック機構がケツ圧がかかると歪んで金属が触れ合ってるようです。ベルハンマー(潤滑剤)をスプレーしてOKとなりました。乗ってる時に金属の触れ合う音がすると気になって仕方ないですからね。できるだけこのようなノイズは消しておいた方が気持ちよく乗れますし、エンジンやミッショントラブルなどで音がいつもと違うのを見つけやすくなります。

さあ、明日は近場ツーで今回の交換の様子見をしてみます。素人が大手術したようなものなのでちょっと心配ですが。各部ボルトも緩めたので逐次増し締めもしないといけませんね。

ファイナルミッション復旧。

各ギヤ部へモリブデングリス注入です。

タイヤ取り付け。

ドラムブレーキ復旧。

ヘプコのサイドケースステーを取り付けます。

とりあえず完成。サビが出てるところを塗装しました。

シャフトブーツも綺麗に取り付いて動きも問題なさそうです。

自転車のブラウンシート。緑のバイクに似合うな。いずれシート色変更を。。。

GUZZIガードを黒から。。

クロムメッキへ。

ステンレスフィルターのこの汚れを

掃除しました。あースッキリ!

とりあえず完成ーーー。

やっぱ、ラウンドヘッドはいいわー。美しい。














2017年5月1日月曜日

復活作業その1

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2017年5月1日(月)

 先週の魔のユニバーサルジョイント破断事件から1週間。

GW前半は仕事してました。今日は会社の創立記念日でお休み。明日は休暇を取得して連休にしました。

先週の事。バラしてユニバーサルジョイント破断確定したので早速、横浜のショップへ連絡を入れると、手持ちは無いけど国内にストックが見つかりましたのですぐ手配して送りますね。と素早い対応。感謝でございます。
ジィント磨耗でガタが出て交換はあるけどジョイント破断は初めてです。。とのこと。(俺、何か持ってる?)

ドラムブレーキなのでユニバーサルジョイントもV7Sportなどと同じでルマンなどのディスクブレーキより若干小型なのだそうです。こりゃ微妙にパーツが違うので消耗した場合は横浜のショップが頼りですね。いつまでも廃業しないでねー。

さて、ブツは揃うので、あとは自分で作業できるのかが問題です。頼りはショップからのアドバイスメールとリパさん監修のメンテナンスブック。
問題は旧ベアリング抜きと新ベアリング圧入とユニバーサルジョイントの圧入。いずれも、今まで一度もやったことありません。笑 まあ何事も経験です。

ネットで色々調べてベアリングプーラーなる商品があります。早速、ポチっと。格安商品大丈夫?普段1万円ほどの商品が1500円。これなら惜しく無いです。商品到着は4/28ごろだったのがいつに間にか5/7に。あれ?と思ってよく見ると発送元がUSPS(アメリカ郵便)やんかー。今頃船の中です。ちなみに今見ると8500円になってます。値段はラッキーなのか。
ちなみにベアリングを打ち込むためのレースドライバーは翌日届いてますけどね。

プーラーが届かないので自作します。ホームセンターで適当に寸切りボルトとナットや板を買ってきて作ってみました。難しいブラインドベアリングをいとも簡単にポロッと抜くことができました。よし、ベアリング抜きクリアー。
ちなみにベアリングを抜くとグリースの焼けた匂いがします。この匂いが結構嫌な匂い。金属が焼けた匂い+何とも言われぬ気持ち悪い匂い。エンジンオイルの焼けた匂いとは全然違う種類のものです。

次は圧入です。これが難しい。色々考えて次のパターンで作業することに
1.圧入する油圧プレスなんて家に無いので冷やしばめで収縮させて圧入する。
2.会社に行って加工部門のボール盤をこっそり借りてプレスする。
3.バイク屋へ行って圧入だけしてもらう。

2.は会社に油圧プレスなんて無かったはずなので代用できるかと思いましたが壊れると後々問題なので止めることに。入退出管理されてるのでバレるんですよね。3.は最後の手段です。(本当はこれが一番正しいのでしょうけど、負けた気がして。。)

冷やしばめをするためにドライアイスを買ってこようかと思いましたが、色々調べてるとあるんですね。冷却するスプレー。それも潤滑油入り。-43℃まで冷えるので外気温差が70℃程度あります。これでベアリングを冷やして縮めケースに圧入し、ベアリングが通常温度になったらユニバーサルジョイントを冷やしてベアリングに圧入してみます。

結果は、少々のハンマーリングはしましたが、結構簡単に圧入できました。冷やしばめ結構いけるかもです。ただ、時間との勝負になるので冷静でスピーディな作業が要求されます。ユニバーサルジョイントなんてグニャグニャ曲がるのでやりづらいです。やっぱ、油圧プレスが正解なんだろうな。

さあ、組み立てです。
ここからはメンテナンスブックをお手本に組み立てていきます。なお、写真はありません。グリースまみれなのでカメラ触れないです。
トランスミッションのスプラインにユニバーサルジョイントを嵌合するのに一苦労です。なんせスイングアームの中に全て収まって見えない状態で両手と膝を使ってドライブシャフトを空中で固定してグニグニ回す作業で、なかなか嵌合しません。諦めかけた頃、グニュと入ってくれました。
次はスイングアームのプリロード調整でピボットボルトの締め付けです。トルクレンチで25Nmで締め付け、左右のボルトの出具合をノギスで計測して出面が6mm程度で同じならトルクを抜いて再度22Nmで締めます。この状態でスイングアームが軽く動くことを確認してキャップボルトを締めます。キャップボルトを締めることで20Nmのトルクをかけることになります。

今日はここまで。明日はファイナルミッションとかドラムブレーキやタイヤを組み付けて乗れる状態にする予定です。


ドライブシャフト塗装が剥げてたのでスプレーしてみました。

ドラムブレーキの伝達アームも汚れてたので掃除すると

こうなりました!

ドラムブレーキのカバーも。。。

こうなりました。

ベアリング抜きの自作工具です。いい仕事しましたよ

焼け付いてるベアリングです。嫌な匂いが。。

送ってもらったパーツです。

ドラムブレーキ用はちょっと小さいそうです。

ベアリングとこんな具合に結合されます。

冷やしばめの冷却スプレー。潤滑剤入ってます。

ベアリング圧入後です。意外と簡単に入りました

こんな日曜整備工具でもなんとかなります。

ドライブシャフト取り付け中です。

ピボットの出面を確認してます。(左右同程度になってるか)

キャップボルトを締めます。M30のでかいやつです。

本日はここまで。明日には完了させたいですね。。